女性なら乳房を失うことはかなりのショックだし、リスクを背負っても温存を望みたい、と思うものかもしれません。
私はちょっと普通の感覚に乏しいのかもしれない。
乳がんの大きさは1.2センチ×1.2センチという小さいものでした。
先生は、小さいので温存ができますよ、と言ってくれました。
にもかかわらず、私はほうぼうに相談したり、ネットで調べたりして全摘出でお願いします、と言いました。
先生は、手術直前まで考えていいからね、と何度もいいました。
ですが私の気持ちは温存をなぜか否定しました。
最初にそう結論づけたのは、直観からくるなにか、でした。
いとこが乳がんをやっていて、その時の先生が温存にしたくてしたくてしょうがないとかで、
いとこは温存しました。そして再発。結局2度目の手術で全摘出しました。
わたしはそのことが気になっていました。
そのせいもあるのでしょうが、きっと温存したらまた出てくるに違いないと思ってしまったのです。
私の母は肺がんで死んでいます。
ものすごい勢いでがんは大きくなり、そして病気がわかって半年で死にました。
その母をずっと見ていて、がんが私に出たときには、同じように勢いがあるタイプになるな、と
これまた直観で思いました。もっとも母子でとても体質とかもろもろ似ているもので、そう思ったのかもしれません。
直観なんて思いすごし、と思われるかもしれませんが、私はなぜか直観が否定できません。
理由はないのですが、すごくきっぱりと、断固としてそうに違いないと思ってしまうのです。
なので同じ理由でどうしても乳房再建ができません。
ヘタレで手術が嫌というのもありますが、これまた直観で再建したらまた出てくるような気がする・・・・のです。
手術をしてみたら、わたしのがんはそんなに小さいのに、脇の下のリンパ節にりっぱに転移していました。3つありました。
後々聞いたところでは、温存してくださいと私がいったとしても、結果として温存できない状況だったそうです。奇しくも直観が当たったといえるかもしれないですね。
手術前、きょうだいの夫が医者をしていまして、その彼にマンモやレントゲンの画像を見せて相談しました。
なんとなく温存より全摘出がいいように思ってしまうのだと率直に告げ、温存のメリットとデメリットが知りたいと伝えました。
一番のメリットは本人の気持ちだ、と。女性なら乳房を失うことはつらいでしょうからそれをしないでいいというのが一番のメリットだよ、と。またこれから子供を産みたい人、まだ若い人なら失うことが相当ショックでしょうから、そのショックを軽減できれば1番いいでしょう、と。
デメリットは、データ上は温存も全摘出も再発の危険度にそれほど違いはないけれど、医師として
温存の場合より全摘出のほうが、これで取りきったからまず大丈夫だよとしっかり言えること、かな?と。もちろん乳房というのはふたつあって、ひとつの人間の同じ特質をもったふたつの乳房なので、ほかに転移するよりもう片方の乳房にまた見つかる確率のほうが高いそうですが、もしもふたたび出てくることをそれほど気にしているなら全摘出もいいかもしれないね、と。
私は19歳と12歳の子供をすでに産み、育てるほうもほぼ終わりに近くなってきています。
もうおっぱいの必要はないし、実はすっごいペチャパイで、失ってしまっても、形よく大きな人ほどの喪失感はないように思っていました。
そんなことからやっぱり温存はしない!って思ったのです。
その自分のだした結論に不満はないのですが。。。。ノーテンキな私でも乳房が片方しかないことはそれなりのストレスを運んできました。
またとても不便を感じてもいます。
そのあたりはおいおい・・・・・
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