2009年2月20日金曜日

1年かけて浮腫の心配から解放されました


 左の脇の下のリンパ節ににゅうがんの転移があったため、そのリンパ節を摘出したのですが、
そうすることで、リンパ液の関所、関門である部分を失い、左うでにケガや、やけどや、なにか炎症
を起こすと、浮腫を起こすという危険性を持つことになりました。

その説明は手術後すぐに始まったリハビリの時間にされました。
リハビリの先生が注意してね、とアドバイスしてくれたのは、

ひりひりするほど日焼けしない
左腕や指さきに切り傷など作らないようにする
リュックや重いショルダーバッグを左肩にかけない
夏場たくさんの蚊にさされないようにする
左に注射、鍼治療、血圧測定をしない
あまり重い荷物を左でもたない
筋肉痛になるほど左ほどを使わない
左指には指輪をつけない、左腕には時計をはめない

などなどでした。
浮腫というのがどういうものかいくら説明を受けてもピンとこず、もやもやした不安でいっぱいになったものでした。だいたい浮腫はその禁止事項をした時には必ずくるのか。
私はこれから一生、今まで普通にやっていたことができないのか。
浮腫は治らないのか。
そんなことを考えては溜息がでるのでした。

少しずつ先生がたに質問していくと、浮腫は起こる人と起こらない人がいるとわかりました。
軽度の浮腫であれば、マッサージしたりや用具を使っての治療で治るけれど、腕が倍にも腫れてしまったときには元通りには戻らないとわかりました。
やむなく包丁で指を切ってしまったり、ケガしたときにはよく消毒して、なかにバイキンを入れないように注意することが大切であることも知りました。
マッサージの仕方は毎日復習することで、退院後も自分できちんとできるようにマスターしました。


退院後、しばらくはなんだか自分が無力で、なにもできない人間のように思い、落ち込むことも多かったです。だってだれよりも力持ちで、重い荷物なんか全部自分で持っていたのに、それを人に頼まないといけないのです。
毎年なんら気遣いなく日焼けのし放題だったのに、長そでをきたり、うでカバーをしたりして、左腕を日焼けから守らないといけないのです。
調理は短い時間でたくさん作るのが得意だったのに、指を切らないように慎重にゆっくり作業しないといけません。
愛用していたデイパックや大きなショダーバッグをやめて、ウエストバッグを購入。いつでも腕が空いているようにする生活がスタートしたのです。

いちいちが不便。
いちいちの動作に時間がかかるように思えました。

でも2か月、3か月たつうちに、そんなに神経質になるのはよそうと思うように変わりました。
まず、東京郊外の蚊がぶんぶん飛び回る地域で生活していて、蚊に刺されないなんて無理です。
根っからおちょこちょいでけがが多いので、けがを100パーセントしないなんて無理です。
家事、仕事のさまざまな場面で、どうしたって自分で重いものを運ばないといけない場面があるものです。

実際に何度も包丁で指先を切ったのですが、消毒をきちんとやり、ゴム手袋をつけて料理をするなどのケガ後のフォローで、少しだけむくむ程度で済んだりしたことが、自信につながりました。
蚊にもさっそく刺され、多少左腕が右より太くなりましたが、マッサージで解消したことが、楽観的に考える要因になりました。

わたしはとにかく丸1年、予防策はなるべくしながら、普通に生活しようと思いました。
春夏秋冬を過ごすことで、どんな程度のケガなら大丈夫で、このくらいの日焼けはヤバイなどなど
体得できるだろうと思ったのです。
まずは1年おとなしくしていて、無事に1年が過ぎたらほとんど手術前の生活に戻しても大丈夫なんではないかと思いました。

そして、予想どおり、多少の腫れは何度か経験しながら無事1年をクリアしました。
いまあと少しで術後3年になろうとしていますが、左腕は無事です。
今わたしの左手指には2枚のバンドエイドが貼られ、左腕には時計がはめられていますが、
大丈夫です。
リンパ節切除で胸、上腕、背中の一部にマヒがあり、感覚がありません。
蚊に血を吸われているとき、人はそれに気づきますが、私にはそれがわかりません。
自分の一部がマヒしているということを頭に入れて、日々生活していますが、それほど用心深くはしていないので、浮腫が起きにくいところを本当に感謝しています。

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